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Python3によるGUI画像処理システム開発環境の準備
1. GUI画像処理システム開発環境の準備
Pythonはオープンソースのプログラミング言語であり、オランダ人のグイド・ヴァン・ロッサム(Guid van Rossum)が開発し、1991年にPython バージョン0.9のソースコードを公開した。その後、Pythonは文法のシンプルさ、コードの生産性の高さ、ライブラリ・パッケージ群の豊富さなどにより、人気の高いプログラミング言語として発展を続けている。 PythonはPython2.x系とPython3.x系の2系統があるが、Python3.xには下位互換性はない。Python2系の最終バージョンは2.7であり、そのサポートは2020年で終了することが決まっている。その為、Python2系のユーザにとって、Python3系への早期移行が不可避になっている。Pythonで画像処理システムを開発をする場合、数年前は画像ファイルを扱う画像ライブラリPIL(Python Imaging Library)はpython2系しかサポートしておらず、Python3系の選択肢はなかった。しかし、現在はPILの後続画像ライブラリであるPillowがpython3系をサポートしており、また、GUI(Graphical User Interface)を実現可能にするtkinterやwxPythonなどのライブラリ・パッケージも、python3をサポートしているので、ここではPython3系を採用したGUI画像処理システムを開発する場合について述べるものとする。
私の計算機環境であるMacBook Pro(Retina, 15-inch, Mid 2014), OS X Sierra バージョン 10.12.6 に、以下の手順によりPython3.7とGUI画像処理システムを実現するために必要なライブラリパッケージ環境を導入した。
- 最初に自分のMac環境へPython3.7をインストールするために、下記のAnaconda distributionサイトから
- MacOSX用のインストーラAnaconda3-5.3.1-MacOSX-x86_64.pkgをダウンロードした。
- ダウンロードサイトのURLは左記の通り。 https://www.anaconda.com/distribution/
- ダウンロードしたAnacondaインストーラを起動して、Python3.7とAnaconda-Navigatorをインストールした。Anaconda-NavigatorはPythonとそのライブラリ・パッケージ環境を構築・管理するGUIアプリケーションである。Anacondaを導入した主な理由はAnaconda Navigatorにより、Pillow, OpenCV, Matplotlib、scipy、Numpy, Pygameなどの各種のpython3用のライブラリ・パッケージが簡単に導入できることと実行環境であるIpython ConsoleとSpyder Editorが統合化されており、Pythonプログラムの開発が容易な為である。
- 現時点において実現したPython環境は以下の通りである。Anaconda 3.5.1、 Python 3.7.2、Pillow 5.4.1、 OpenCV 3.4.2、 Matplotlib 2.2.3、Numpy 1.15.4、 tkinter 8.68、wxPython 4.0.4。
- 下図はSpyder EditorによるVideoCapture処理システムのプログラム・サンプルの例である。